1.運動療法を始めるにあたって
慢性腎臓病患者さんが運動を始めるにあたっては、医師に「運動処方」を出してもらい、自分に合った安全で効果的なやり方を決める必要があります。
運動処方とは、どのような運動を、どのくらいの強さで、どのくらいの時間、どのくらいの頻度で行うと安全で効果的かを指示してもらうものです。お薬の処方箋と同様、1枚の紙にこの内容が書かれているものです。
運動の方法には、主に、有酸素運動と筋力トレーニングがあります。息を止めて行う、重い者を持つなどの運動は、血圧が上昇するうえ、効果は少ないなどの理由から推奨できません。
様々ある運動の中でも保存期慢性腎臓病患者さんにはウォーキングがおすすめです。一般の方が行うようなジョギングは勧められません。
2.有酸素運動
有酸素運動には、持久力の向上、心肺機能の向上、体脂肪の減少、肥満の解消、血圧の低下、耐糖能改善、善玉コレステロール増加、動脈硬化の予防や改善、免疫機能の強化、寿命の延長などさまざまな効果が認められており、脳梗塞、心臓病、血管病などの減少が期待できます。
また、レジスタンス運動もお勧めです。レジスタンス運動とは、スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動を言います。(厚労省e-ヘルスネットより) 患者さんには同じ運動を10-15回できる程度の強さを決めて、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。1~2日おきに行います。
- 準備運動を行い、最初から強い負荷は避ける
- 大きな筋肉を使った運動をする
- 呼吸を止めない。力を入れておもりをあげる際には息を吐く
- おもりを2秒で持ち上げ、4秒でゆっくり下す
- 反復の間には必ず休みをいれる
- 過剰は血圧上昇を避けるため、グリップは軽く握る
- 血圧と脈拍数の反応は使う筋肉の量と収縮の強さに比例するので、片側ずつ行う
- ひじやひざは完全に伸ばさず、少し余裕を持たせる
- 正しいフォームで、動かす筋肉を意識して運動する
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