運動療法II

運動療法Iでは、有酸素運動が有効だというお話をしました。ただ、いわゆる有酸素運動をしただけでは、腎機能の改善は望めません。ある一定のレベルの運動を行うことではじめて改善の効果が表れるのです。

ここで大切な運動レベルの指標としてはAT(嫌気性代謝閾値)というものがあります。これは有酸素運動と無酸素運動の分岐点を表していて、このレベルの運動を続けることではじめて、腎機能、肝機能、心機能、認知機能等の各臓器機能を細胞レベルで改善させる効果が期待できようになるのです。これまでは、有酸素運動を超える運動をすると、乳酸が産生されて、血中や筋肉に蓄積して疲労を引き起こすといった既存の悪いイメージがありますが、これは誤りで、適度な乳酸上昇は、逆に細胞の機能改善に結び付くことがわかっています。このレベルの運動をAT運動と呼びます。

腎臓リハビリテーションでの運動療法は、このAT運動をすることで細胞の若返り効果を目指します。この運動療法を行うにあたって大事なATの値は、人によって異なります。このATを測定する方法としては、心肺運動負荷試験(CPX)があります。このCPXで測定されたATをもとに、ひとりひとりの患者様に合った運動処方箋を作って、日々の運動に取り掛かることになります。

当院では、2025年10月より、CPX試験の実施と運動処方箋の発行を始めます。ご興味のある方は、お問合せ画面からお知らせください。丁寧にご質問等にお答えしていきます。

関連記事

  1. 運動療法I

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
ご予約ご相談はこちらから